汎兮堂とは ―「室号」について

「汎兮堂」などというと、お店か何かのようですが、別に僕はお店をやっているわけではありません。この汎兮堂というのは僕の「室号」です。室号とは文人墨客や学者が自分の城たる書斎につける名前のことですが、転じてその人そのものを呼ぶ名前(あるいは本人の自称)としても用いられます。たとえば「洗心洞」は大塩平八郎の室号ですが、同時に大塩先生が自宅に開いた私塾の名であり、かつ大塩先生自身を指す呼び名としても用いられます。時代劇で、剣客や医者の名前として「〇〇斎」とか「〇〇庵」というのが出てきますが、これらももともと室号です。ほかにも「〇〇室」「〇〇堂」「〇〇園」「〇〇亭」「〇〇閣」「〇〇楼」など、いろいろなパターンがあります。大塩先生の「洗心洞」の「洞」は洞穴のことですが、大坂東町奉行所与力の大塩先生が実際に洞穴に住むわけはなく、俗世の塵を避けるイメージをこめて大坂の町なかにある自宅を「洞」と名付けたのでしょう。


引っ越しなどで家が変わった場合、新たな部屋に新たな室号をつけることもあれば、もとの室号をそのまま使い続けることもあります。後者の場合の室号は、物体としての部屋そのものの名前というより、どこであろうと本人が住んでいる場所を指す名前だと考えるべきなのでしょう。僕の場合も、何度も引っ越していますが、室号はずっと「汎兮堂」のままで変更していません。


「汎兮堂」の由来ですが、老子第三十四章の「大道汎兮、其可左右。(大道は汎として、其れ左右すべし=大いなる道(万物の根源)はただよいゆ くものであり、右でも左でもいける)」からとりました。僕の人生は根無し草のように漂うばかりで右にぶつかり左にふらついているのでこの名前をつけたのです。


現在のサイトに至る経緯

僕は実生活でも何度か引っ越していますが、僕のサイトもいくつものプラットフォームを転々とした末に、Bloggerで開設した現在のサイトに流れ着きました。これまでの経緯を簡単にまとめると、


2009年1月

レンタルサーバー+MovableTypeでブログ「汎兮堂雑記」を開設。もっぱら自作の漢詩を投稿

2013年3月

CMS(コンテンツマネジメントシステム)をMovableTypeからQHM(Quick Homepage Maker)へ変更し、新サイト「汎兮堂雑記」を開設。新サイトの内容は漢詩以外にも拡張

それまでのブログは新サイト内のブログ「汎兮堂詩嚢」へ移行

2016年5月

QHMの継続開発中止を受け、汎兮堂雑記のコンテンツをMediumへ移行。Mediumのパブリケーション機能を利用し、分野ごとに汎兮堂雑記のコンテンツを以下のように分割し、それぞれに独自ドメインを割り当て、独立したサイトとして運用

「汎兮堂詩稿」

「日本の漢詩文」

「電脳電網総研」

「汎兮堂Health」

「汎兮堂叢話」

これらのサイトのハブとなるポータルサイトとして、レンタルサーバー+WordPressで「汎兮堂雑記」を開設 → その後、AmebaOwndへ移転して「汎兮堂HOME」に改名

2017年8月

ブロックチェーンを利用したSNS「Steemit」でブログを開始(アカウント名:@argon)。ランニング記録を中心に投稿

2020年2月

Medium上の5サイトとAmebaOwndの「汎兮堂HOME」をBloggerへ移転(現在のサイト)

2020年3月

TRONによるSteemit買収の結果、SteemブロックチェーンからHiveブロックチェーンが分離したのに伴い、SteemitからHiveBlogへ移行

2020年7月

HiveBlogに投稿していたランニング記録・日常記事の投稿先を「汎兮堂HOME」へ変更

2020年10月

HiveBlogへの投稿を完全に中止


以上の経緯を経て、現在はもっぱらBlogger上の6つのブログサイトに記事を掲載しています。便宜上、これらのサイトを「汎兮堂関連サイト」と呼び、サイト管理人として「汎兮堂主人(@argon)」と名乗っています。


以上、「汎兮堂」の由来と、当サイト開設・運営の経緯です。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。大してパッとしないサイトですが今後ともよろしくお願いいたします。